料理の世界では無数の食材の組合せと調理の仕方があります。調味料は
小さじや少々と表現されますが、工業製品ではこのさじ加減は禁物で、
一定量を正確計量することが求められます。

食材の組合せは、無数であり、今だに新しい料理が出て来て、無限の組合せ
です。同様に工業製品での化学製品の世界も、特定用途の高性能化や長寿命化
等のためにそれらを満たす組成(配合、処方等)の設計は、無限の中から、
最適と思われるものを選定し、限られた期限の中で、市場に展開し、常に
改良を継続することになります。

さて、無限の組合せからどのように材料を選定、組合せを検討するので
しょうか。大半はその企業にある経験知から、固有技術(基礎技術)の材料の
組合せがあります。それらは経験知なので、新人ではなく、ベテラン技術者
によるところが多く、組成を一人で設計出来て初めて一人前に扱われること
になります。配合設計は一人でも出来るので、複雑な個性の強い組成となる
ことがあります。真似しにくい半面、どうしてその組成が最適と言えるのか、
組成を構成する成分の効果を的確に論理的に説明出来ないことが多いのも
事実です。配合設計が出来る技術者も時間のかかるため、後継者の育成も
悩みがあります。

伝説の方々との出会い(2)にもある田口玄一先生の品質工学の世界は、
固有技術によらず、新人でも配合設計が可能な考え方と論理的なパラメータ
設計の手法を提案出来ます。田口先生他、研究会のメンバー間で、固有技術
を知らなくとも、様々な討議や助言が出来るのは、枠を超えた、エネルギーに
着目した基本機能の考え方等は共通だからです。

化学製品においても、機械製品と同様に、将来の開発改良につながる、
開発設計システムと合わせて、トライアンドエラー等の繰り返しを
最小限にし、開発改良を容易にする、配合設計の仕組みづくりを、ご支援
出来ます。