自動車のキーはスマートキーになって久しいのでずが、それ以前は1985年ホンダの
アコードに採用されたキーレスエントリーという、鍵穴に刺さずに使用するキーが
ありました。このキーの開発者の一人は、三井金属鉱業でドアロックの設計者で
あった山田眞次郎氏です。ホンダだけでなく、著名な経営者のアイアコッカの、
クライスラーにも採用された優れた設計者でした。
山田眞次郎氏はその後、金型設計のインクスを起業し、職人の世界であった金型
設計を職人の方の頭の中を、何十畳もの大きな紙に落とし込み、それをデジタル化し、
完全無人のフリーターでも管理出来る金型工場を建設、短納期の携帯金型の製造業
として業績を上げ、政府のものづくり関係の委員に就任されていた方です。インクスは
その後リーマンショックで会社再生法の適用を受けました。
山田眞次郎氏とはデジタル化と一気通貫での生産体制に関心があり、ホームページの
コメントサイトに何度か投稿と返信をいただいた他、講演会の懇親会で少しお話し、
交流があった方です。当時ホンダ社内評価時点のキーレスエントリーのスイッチは、
蛍光灯のノイズで、オンオフしてしまうという、新しい開発に伴うご苦労がとても
自分には出来ない部分と共感する部分等とても面白く感じたものでした。
もう一つ、大きな繋がりは、ドアロック製品の開発者の頃、前職の製品を使って
いただいており、厳寒のデトロイトでもよく使えた製品と交信いただいたことで
技術者として、革新技術のパイオニアで尊敬していた方です。
近況は、テレビ東京ビジネスオンデマンドの、WBSの2018年5月30日に紹介された、
株式会社プランテックスの代表取締役会長で、息子さんの社長さん、元インクスの
同僚と植物工場事業をされていました。分野は違えど、技術者としての先輩として、
関心を持ち続けたいと思います。インクスでのデジタル化の手法が使われていて
面白いと思いました。