日本規格協会関連では、品質工学(タグチメソッド)で知られる、田口玄一
先生の、QRGに何年か参加させていただきました。このQRGは、1963年
(昭和38年)から田口先生が主導し、半世紀以上、現在も品質工学研究
グループの活動として、続いているものです。
田口先生は、実験計画法の第一人者で、品質工学、欧米ではタグチメソッドと
呼ばれる技術思想の創始者です。1924年生まれ、2012年に亡くなられて
いますが、天才的思想が品質工学として、広がっています。唐津先生と同様に
1960年にデミング賞本賞を受賞、1997年日本で三人目の米国自動車殿堂入りを
されました。
品質工学がとても魅力的に思え、その思想を理解するため、潤滑剤の組成への
適用として、パラメータ設計の直交表実験にトライし、品質工学誌にも論文として
提出したことがあります。投稿論文への田口先生のコメントやのちに典型的な
パラメータ設計のサンプルとして、先生の講義にも使用されたことを聞き、
とても嬉しかったことを覚えています。
田口先生とも日本規格協会に向かう道で、ご一緒になった時に、思い切って
お声をかけたところ、時候の挨拶にもすぐにご対応いただきました。唐津
先生との違いが懐かしく思います。
田口先生は、早く失敗するために実験する、アイデアを捨てるために実験、
品質を測りたければ品質を測るな、エネルギーを考える他、たくさんの語録
があります。
以前、品質保証体制を構築する仕事に取り組んだ時は、田口先生の、品質の
定義、「品質とは、製品が出荷後に社会に与える損失である」を常に考える
こととしました。
まだまだ品質工学の考え方は、発展途上であり、世の中の課題解決に、応用
出来ると思っています。何かと組み合わせるのが、着想であり、常に頭に
置いていたいと思います。